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次世代シーケンサーでできること

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目次

DNAやRNAの塩基配列を、高速かつ大量に同時解析できる次世代シーケンサー。その汎用性は多岐に渡り、様々な目的で活用されています。この項では分野別・目的別にできることを具体的に解説していますので、ぜひご参考ください。

DNA配列解析

全ゲノムシーケンシング

全ゲノムシーケンシングとは、生物のDNA全体の塩基配列を網羅的に読み取る解析手法です。DNAのすべての領域を網羅的に解析できるのが特徴で、既知・未知の変異を含めた包括的な遺伝情報の取得が可能です。応用範囲も広く、疾患研究(がん、遺伝病)、生物多様性解析、微生物・環境ゲノム解析などに使われます。

エクソームシーケンシング

エクソームシーケンシングは、ゲノムのタンパク質コード領域をシーケンシングする手法です。解析対象が限定されているのに対し、ヒトの疾患に強く関連する変異の約85%がこの領域に集中しているため、効率よく疾患関連変異の検出を行うことが可能です。

ターゲットシーケンシング

関心のある遺伝子領域だけを集中的に解析することで、コスト・時間・データ量を抑えつつ高精度な変異検出が可能なターゲットシーケンシングです。がん関連遺伝子や遺伝性疾患のホットスポット変異解析に適しており、創薬ターゲットや微生物解析など、多様な研究目的に対応しています。

メチル化シーケンシング

次世代シーケンサーを使ってDNAのメチル化パターン(エピジェネティック修飾)を1塩基レベルで解析する手法です。NGSによる全ゲノムあるいはターゲット領域のメチル化パターンを捉えることで、生物学的プロセスを明らかにできます。バイサルファイト変換などの前処理を経て、シトシンのメチル化状態を高精度に検出し、エピゲノム研究における洞察を得ることが可能です。

16S rRNA解析

細菌や古細菌の分類・同定について、保存領域と可変領域を含む16S rRNA遺伝子を使って高精度かつ網羅的に行えるのが特徴。環境試料や糞便などから直接DNAを抽出するため、培養不要で微生物構成を推定できます。ターゲット領域が短いため、コストや解析負担が比較的軽いのも利点です。

RNAシーケンシング

mRNAシーケンス

細胞内で実際に発現している遺伝子(mRNA)の配列と量を次世代シーケンサーで解析する方法です。どの遺伝子がどれだけ働いているかを定量的に把握できるため、細胞の状態、疾患による変化、刺激への反応などを明らかにすることができます。遺伝子発現解析の中心的な手法として、基礎研究から疾患研究まで幅広く利用されています。

トータルRNA-Seq

細胞や組織内に存在するすべてのRNAを網羅的に解析する手法です。mRNAだけでなく、さまざまな種類のノンコーディングRNAも同時に調べられるため、遺伝子発現や転写産物の全体像を把握できます。1回の解析で広範なRNA情報を得られるため、複雑な疾患研究やバイオマーカー探索など、幅広いトランスクリプトーム研究に活用されています。

ターゲットRNA-Seq

次世代シーケンサーを用いて、関心のある特定の転写産物(RNA)のみを集中的に解析する手法です。通常の全体解析よりも、対象とする遺伝子群にフォーカスして高い精度と感度で定量・検出ができるため、既知の発現差や融合遺伝子などを詳しく評価するのに適しています。

シングルセルRNA-Seq

個々の細胞ごとの遺伝子発現を解析できることから、従来のバルクRNA-Seqでは得られなかった細胞の多様性や動態を高解像度で可視化できます。遺伝子発現に基づく細胞タイプの同定や新規細胞群の発見が可能で、がん研究や再生医療、創薬などの分野で普及が拡大しています。

スモールRNA-Seq

miRNAやsiRNAなどの短い非コードRNAを対象に、遺伝子発現の制御や細胞応答のメカニズムを明らかにすることができます。既知・未知のsmall RNAの発現量と配列変異を網羅的に取得可能で、がんや免疫、発生など多様な生物学的現象の理解に適していると言えるでしょう。

リボソームプロファイリング

リボソームで保護されたmRNA断片(リボソームフットプリント)を次世代シーケンサーで読み取る手法です。この解析により、細胞内で実際に翻訳(タンパク質合成)が行われているすべてのmRNA を“スナップショット”として捉えることができます。

リボソームがどのmRNAをどれだけ使っているかを網羅的に把握できるため、翻訳制御の実態やタンパク質合成の状況を詳細に解析することが可能です。

CITE-Seq

1つの細胞について、RNA発現と細胞表面タンパク質の情報を同時に取得できるシングルセル解析手法です。抗体に付与されたDNAバーコードを使って細胞表面タンパク質を検出し、そのデータをRNAシーケンスと統合することで、細胞ごとの特徴をより高精度に評価できます。

監修
監修者コメント

適切な前処理法を選ぶことで、目的や予算に応じた次世代シーケンサー解析を実施することができます。近年解析対象はDNA/RNA以外にもプロテオームなどにも広がる一方、上記のような標準的手法は、より簡便に最適化されており、イルミナ一社でトータルサポートを提供可能です。

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