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次世代シーケンサーによる感染症研究事例

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目次

次世代シーケンサーは、ウイルスや微生物などの詳細な解析も可能なため、感染症分野においても積極的に活用されています。ここではその代表的な機関の事例を基に、具体的な効果や研究内容などをご紹介しましょう。

感染症分野での
次世代シーケンサー活用例

感染症分野での次世代シーケンサー活用例

感染症分野において、次世代シーケンサーは主に以下のような目的で活用されています。

病原体の網羅的検出と同定

次世代シーケンサーは臨床検体から既知・未知のウイルスや細菌を一括検出可能なため、新興感染症(例:COVID-19、エボラ、ジカなど)の迅速な同定に貢献できます。

診断・監視・公衆衛生への応用

メタゲノム解析により培養不要で病原体を特定できるのも、次世代シーケンサーのメリットです。そのため、院内感染や環境中の薬剤耐性菌の分布モニタリングや、地域・国際的な感染経路の追跡、流行予測などへの応用も期待できるでしょう。

治療・予防・宿主応答の解析

その他、RNA-Seqによる宿主の免疫応答・重症化メカニズムの解明、ワクチン・治療薬開発に向けた抗原候補や免疫標的の特定などにも次世代シーケンサーは活用されます。

また、野生動物や河川をはじめとする自然環境からのウイルスを把握し、早期対策に努める役割も考えられるでしょう。

併せて読みたい

感染症分野では病原体の検出・同定などさまざまな方法で次世代シーケンサーが利用されていますが、受託サービスを利用するか購入するか悩む研究者も少なくありません。初期費用の観点から受託サービスを選択するケースもありますが、運用頻度や研究体制によっては、装置を購入した方がメリットが大きい場合もあります。

当サイトでは受託ではなく購入する価値やはじめて次世代シーケンサーを購入する方におすすめのシステムも解説しているので併せて参考にしてください。

感染症研究に次世代シーケンサーを活用した企業

国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター

国立感染症研究所 インフルエンザ研究センターは、日本および東アジア地域で流行するインフルエンザウイルスの解析と監視を担う国内の中核研究機関です。

ウイルスの抗原性の変化や薬剤耐性の発生状況を精密に調査し、その結果は国内の公衆衛生政策やワクチン株の選定にも活用されるなど、社会的に非常に重要な役割を果たしています。

インフルエンザウイルス研究センターの
研究内容
インフルエンザウイルスの遺伝子解析

日本を含む東アジアで流行するインフルエンザウイルスの遺伝子解析を通じて、ウイルスの抗原性がどのように変化しているのか、また薬剤耐性を持つ変異株が出現しているかを継続的に監視しています。こうした解析データは、毎年のワクチン株を選定する際の基盤となる極めて重要な情報であり、流行状況を正確に捉えるために欠かすことができません。

さらに、未知のウイルスによるパンデミックが発生した際にも、迅速かつ高精度なゲノムデータを提供できる体制づくりを重視しています。これらの研究・監視活動を継続的に行うことで、国内外の公衆衛生に貢献する役割を果たしています。

次世代シーケンサーを活用・導入した感想
インフルエンザ研究に欠かせない迅速性と正確性を担保できる

ウイルスのように比較的小さなゲノムを扱う場合、必要なデータ量を十分に確保できるうえ、ランタイムが短いことが大きな利点です。実際に、300サイクルの試薬では朝のセットで夕方には解析に進めるなど、従来に比べて格段にスピーディーに結果が得られるようになっています。

試薬が常温保存に対応したことも、運用面での大きい改善点でした。従来の凍結保存と異なり、事前準備の負担が軽減されたことで、「必要なときにすぐ解析を開始できる」という柔軟な運用が可能に。このような変化がスタッフの心理的負担軽減にもつながり、研究業務全体の効率向上に寄与していると感じます。

また、コスト面でも改善が見られ、試薬単価やデータ量あたりのコストが下がっただけでなく、実際に得られるデータ品質の向上も実感しました。加えて、装置はコンパクトで設置スペースを取らず、画面上のガイドに従うだけで操作できるシンプルさも魅力です。

大阪大学微生物病研究所

大阪大学 微生物病研究所(RIMD)は1934年に設立され、現在は文部科学省の共同利用・共同研究拠点にも指定されています。感染症・免疫・腫瘍などの研究を通じ、病原体の理解と制御を目指す日本有数の大学附置研究所です。

特にゲノム解析室は、ゲノム解析やメタゲノム解析、ワクチン開発、免疫応答解析など、先端技術を活用した研究体制を構築しています。

大阪大学微生物病研究所の研究内容
感染症の原因病原体の網羅的検出など

大阪大学 微生物病研究所では、次世代シーケンス(NGS)技術を積極的に活用。感染症の原因病原体の網羅的検出や病原性メカニズムの解明、腸内細菌叢の変化解析などを行っています。

研究の目的は、感染症対策の迅速化・精度向上、新規病原体の発見・分類などです。また、ゲノム情報に基づく予防や、治療戦略の構築にも効果が期待できるでしょう。

次世代シーケンサーを活用・導入した感想
作業効率と解析精度が向上した

次世代シーケンサーを導入したことで従来よりも高速にデータの取得が可能となり、「シーケンス時間の短縮」や「1サンプルあたりの解析コスト削減」、研究者の作業効率と解析精度が向上したことによる「ユーザーエクスペリエンスの向上」など様々なメリットを感じられました。

また、高精度な解析により病原体の変異や多型をより正確に検出できるため、データの品質も向上しています。

近年の新型コロナウイルスの事例からも分かるように、感染症の流行時には、実際に罹った人々の症状などを把握して原因の解明や治療、ワクチンの開発といった迅速な対応が求められます。

そのため、大阪大学微生物病研究所では有事の際にも素早く、かつ柔軟に対応できるよう、次世代シーケンサーを活用した体制づくりを進めていく方針です。

監修
監修者コメント

感染症分野の遺伝子解析では、精度と迅速性が不可欠です。特に変異速度の速いウイルスでは、既知配列の有無を確認する従来法だけでなく、未知の病原体や新しい変異株を検出できる網羅的解析が求められます。

次世代シーケンサーは、培養を必要とせず、病原体の全ゲノムやメタゲノムを包括的に解析できるため、感染症診断や変異追跡に有効です。COVID-19流行を契機に国内でもNGS導入が進み、変異株解析や公衆衛生サーベイランスに活用されています。今後の新興感染症に備えるため、次世代シーケンサーを用いた解析体制の標準化と人材育成が期待されます。

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次世代シーケンサーは未来の研究や製品開発の可能性を広げる重要な装置です。しかし、初めて次世代シーケンサーを導入する方にはハードルが高く感じられるケースも少なくありません。

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